社会教育評論

人間の尊厳、自由、民主的社会主義と共生・循環性を求める社会教育評論です。

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

民主的社会主義と社会教育型国家

民主的社会主義と社会教育型国家 神田 嘉延 現代は国際的に格差から貧困問題が大きな課題になっています。福祉国家の資本主義諸国での財政を通しての社会保障制度もありますが、格差からの貧困問題の解消になっていない。年間10億ドルを越える資産家は2000…

霧島における明治8年民主憲法の草案

霧島における明治8年民主憲法の草案 鹿児島大学名誉教授 神田 嘉延 はじめに. 霧島山麓は、古来から六所権現として、殺生を嫌って、修行したといわれる性空上人の僧など、極楽浄土の地であった。まさに、平和を祈る山であった。ここには、神仏混合、隠れ念…

西洋の近代の永久平和論と戦争論

西洋の近代の永久平和論と戦争論 神田 嘉延 憲法九条の意義を、西洋近代の永久平和論や民主主義統治論、戦争論など人類史的な思想から深めてみることにした。 晩年のカントは、自由と、平等、博愛の近代フランス大革命の後に、永遠平和のための著書を書いた…

世界連邦政府構想と共生文明―核兵器禁止条約発効にー

世界連邦政府構想と共生文明―核兵器禁止条約発効にー 核兵器禁止条約が2021年1月22日から発効された。この条約は、2017年7月7日に国際連合総会で採択されたものである。核兵器全廃に向けた包括的に禁止する条約である。対象は核兵器で、平和目的での核利用は…

日本の伝統的な平和文化と有徳国家

日本の伝統的な平和文化と有徳国家 (1)近代以前民衆の暮らしのなかにあった文化 憲法九条は、日本が世界に誇れる平和主義文化の証である。この平和主義の文化は、日本の歴史的な伝統文化とどのような関係にあるのであろうか。日本の国家は、戦前に軍国主…

国際機関で平和のために尽力した新渡戸稲造と安達峰一郎

国際機関で平和のために尽力した新渡戸稲造と安達峰一郎 日本の戦前は軍国主義にむかっていくが、そのなかで体をはって国際平和のために活躍した新渡戸稲造(武士道を書いたことで有名)と国際司法裁判長になった安達峰一郎は特質すべき人物である。 (1)…

江戸時代の平和思想ー安藤昌益の武器全廃論と横井小楠の世界兄弟論ー

江戸時代の平和思想ー安藤昌益の武器全廃論と横井小楠の世界兄弟論ー (1)安藤昌益の平和論 日本国憲法は、9条において、国権の発動たる戦争の放棄、戦力の不保持をうたっているが、武器の全廃論をすでに300年まえに、安藤昌益によって唱えられている。日…

憲法九条を提案した幣原喜十郎戦後初代首相

憲法九条を提案した幣原喜十郎戦後初代首相 (1)戦前と戦後の平和外交継承としての幣原喜重郎 第二次世界大戦の敗戦により、戦後の初代の総理大臣に1945年10月に就任したのが、幣原喜重郎であった。当時、貴族院議員で、昭和6年の外務大臣辞任から政界の第…

ロールズから公正としての正義論

財産私有型民主制・民主社会主義の展望を ロールズの「正義論」から ロールズは、公正・公共による自由と平等を正義論から明らかにしました。そして、公正なる知性としての近代民主主義の憲法事項遵守、格差社会是正の政治哲学を探求しました。 公正なる知性…