農と関連した連携・協働の学びと地域おこしー福島の実践からー

社会教育研究全国集会が福島大学でもたれましたが、わたしは「食と健康と農業」の第10分科に参加しました。全体は、18分科会が設定されていました。報告は、福島県の二本松市、須賀川氏市、喜多方市の農をめぐる学びと協同の3本でした。それぞれ、社会教育実践からの農を中心とした地域循環経済の地域を関係機関・団体・企業などと連携した学びの実践による地域づくりの素晴らしい実践でした。
農からの地域おこしのの基本視点は、食糧自給率向上、安心・安全の食料ということから健康で楽しく生きる、農業の担い手をどう育てていくのか、農業生産法人と自営農、食と農、農との関連業者との分断ではなく、連携や協同をどうつくりあげていくのかということでした。
第1の二本松の実践報告は、地域のゆういの里東和ふるさと協議会のとりくみを原発事故からの農の再生と地域の協同の取り組みでした。地域は福島市から南東の20キロの農業地帯です。人口は5000名の地区です。
旧青年団の10名のメンバーで、出稼ぎに頼らない農業ということで、まずは、コープ福島との連携活動から出荷先を決めたのです。また、地元では、道の駅施設との連携し、さらに、商店街との結んでの経済活動の展開でした。そして、東京の消費者団体の大地を守る会との連携した販路を拡大しているというのです。
荒れた桑畑を何とかいかせないかということで、健康食品としての桑の葉に注目して、それをパウダーにしたことが大きな成功のきっかけとなったのです。桑の葉のパウダーによって、お菓子などの加工食品ということで、地域の不必要になった荒れた桑を蘇えさせているのです。
優れた牛を飼っている農家も多く、臭い牛糞をどうするのかということは、前から大きな課題であったのです。堆肥センターをつくり、しっかりした発酵をさせることも大切な地域おこしの課題であったのです。
もみ殻と牛糞を混ぜて、さらに、食品の残渣を混ぜることで、すばらしい堆肥をつくることに成功したことにより、飲食業や食品加工会社など様々な業者から多くの問いあわせが、くるようになったのです。産業廃棄物ということが資源になっていくことが、実証されていくのです。
2013年に、農家の有志8名でワイン製造会社を設立したのです。40ヘクタールの耕作放棄を活用するという事業でした。ここに、若者3名を専門的仕事として、雇いいれています。
ところで、多くの若者が移住をしたいという問い合わせがくるようになっているのが、最近の状況であると元県庁の就農対策で、現在は就農支援センターで相談活動をしている人は語るのです。新規就農者が15年で40名以上になっているというのです。新規就農者によって、地域の集落が元気になるということがあるのですと。
原発事故以降、若者の意識も大きく変化していると就農支援センターの相談員は語るのです。農業も新規就農ということで、一ケ所で農業をするということではなく、複数の土地で、冬は暖かい雪のない地域、夏は福島ということで、今まで、考ええられない発想で農業を展開している人も現れています。
新規就農の担い手は、生計を農業のみで考える生業としての担い手と、地域の担い手として、農業以外でも生計を考える地域の担い手と、ふたつの見方があるというのです。後者は、農村で暮らすことを生きがいと思って、農業以外でも仕事を求めているのです。積極的に農業とともに兼業できる仕事を紹介していくことも大切というのです。
さらに、里山の合同会社ということで、空き家の改修を積極的に行って、農家民宿も東和地区で24軒生まれているというのです。住民主体のNPO、住民主体の起業づくり、住民主体の体験・加工・交流活動の実践を積極的に展開しています。
原発事故から復興プログラムと研究内容は、住民主体を基本にしながら、大学研究者と農家が一体となって取り組んでいるのです。大学の積極的な役割は、調査データーをとって、科学的にエビデンスをとってくれるということだと報告者は強調していました。データーに基づいているので、風評被害があっても農家はがんばれるということでした。
大学との連携で、土壌分析などもすれば多くの予算が必要になってくるのです。それぞれの研究での補助金を企業や官庁、研究支援機関に農家や地域づくりに主体に参加している人たちは大学と共に、求めていくことも大切というのです。
この実践は今回の福島での全国研究大会の基調報告でも安全な食・農をを取り戻す農再生の協同実践のすばらしい活動として記述されています。また、この実践が大学との調査学習・相互学習をとおしての生産者が営農主体の自分を取り戻すうえで、大いに貢献していることを評価しているのです。
さらに、基調報告では、この地域の女性たちの活動に積極的に注目しているのです。震災後に里山の暮らしをとらえ直す活動が「かーちゃんの力・プロジェクト」として道の駅を拠点に地域に根ざした食の活動をしているという。ここでは、昭和一桁生まれの女性たちの聞き取りをして、郷土料理を復活させて、広く、そのすばらしさを広く普及させるための冊子づくりもしているというのです。
ここには、女性たちの故郷が奪われていくという危機意識から、地域の豊かさを学び直すための「あぶくま農と暮らし塾」「とうわ地元学」があったということです。また、昔から住んでいる地域の人たちだけではなく、福島の自然にひかれ、復興再生に力を貸したいというIターンや地域おこし協力隊として都会から移住してきた女性たちの存在があるという指摘を基調報告ではしているのです。
つまり、ジェンダー差別の根強い農山村で孤軍奮闘している実態のなかで、都会からの移住などによっての外からの支援は重要であるというのです。従前の古い村落共同体の閉鎖的なコミュニティではなく、新たなネットワークによる男女共同参画という目的意識をもっての地域の民主主義の形成の生み出しが必要というのです。つまり、人をつなぎ、地域を拓き、未来をつくるという社会信頼をつくりだしていく社会関係資本(財産)の役割があるというのです。

第2の報告は、須賀川市の農家の公民館、高校、地元企業などの連携活動をしながら、子どもたちの農をとおしての育ち、農をとおしての地域活性化の実践です。
ウド、米、さといも、きゅうりを育てている農家です。農家の前は、小学校の教員もやっていたこともあり、農業と教育の関係には深い関心をもっていたのです。田畑は人も育つ場所で、農作業は、植物をよく見て、育てるということだというのです。決して、作物をつくるではないというのです。
きゅうりは40店舗と契約して、さといもは和菓子屋に出荷しているというのです。また、学校給食や病院給食に食材を提供しているという。積極的に連携をすることで、それぞれの立場をよく知り、農家としてのもの見方、考え方を豊かにしているというのです。
地元に岩瀬農業高校があるが、そこで、地域の先生として農業を教える授業に参加しているのです。授業がつまらない高校性にたいしての問いかけ。高校生自身の授業への主体的参加を試みとして、高校生の考えたレシピで調理実習。
そのレシピを農家が出荷している店舗で特別メニユーとして、販売することにした。高校生は自分たちでつくったレシピであるので、そのお店にいく。また、親たちも行く。学校の先生方も行くということで、評判になっていく。店の方も大喜びです。
ここに、ベトナム人も入れ、国際交流になっていく。評判はさらに、大きくひろがっていく。高校生は実践的な授業で楽しく、自分たちのアイデアがいかされて、それが評判になって、一層に授業が楽しくなっていくのです。
結婚式場をやっている八芳園と農家として協定を結んだ。農業高校の生徒たちや地域の小規模な小中学校の子どもたちが参加していく食材の提供として、契約を結んでいるのです。栽培して、収穫して、レシピも考えて、接客も学ぶというものです。
農家があたりまえにやっていることを取引先、出荷先と連携して、イベント化している取り組みが、公民館や農業高校、小中学校をとおして、農家が、教育の仕事に大いに貢献しているというのです。

第3は、喜多方市の学校給食をとおしての農業教育、食育活動、栄養健康指導活動の報告です。学校給食に食材を提供している地域の農家の生産者の会が市の教育委員会と連携して、積極的な活動をしていることが特徴です。
そして、小学校独自に農業科の授業を展開しているのです。このための教科書も市が独自に地域の人びとの協力も得て作成しているという大変にユニークな地域教材法式の教科書をつくっていることです。
学校給食の器も地域の漆塗りをつかったものを使用しています。そして、喜多方の郷土料理を積極的に提供しているのです。ここでは、地場の食材、地場の伝統的な手作り食器、食の安心・安全と環境に配慮した学校給食の教育活動が地域の協力によって積極的に展開されているのです。
食育教育は、大人になって大いに大切なことであると父母に理解を求めているのです。学校給食をとおしての栄養教諭による健康のための栄養素の知識も教えているのです。学校給食によって、野菜を食べる効果も生まれているというのです。好き嫌いの食べ物があるのは、子どもにとってつきものですが、それをおいしくする工夫と栄養素の話をくわえながら、学校給食に出たものは、食べるということになっているというのです。
小学校の農業教育は市内17学校ですべて実施しています。農業科の支援員は、100名以上超えています。地域の人びとの善意による無償のボランティア活動でやっています。
市の方では、有償にと交渉していますが、現在のところ、農業支援員は、無償で実施しているのです。農業科の実施によって、父母やボランティアの支援員は、豊かな心の育成と集団での協同作業などからコミュニユケーション能力が育成されると実感しているのです。
地域で食材を喜多方市は積極的に提供していますが、全国的には、学校給食センターが巨大化して、経費の効率化も進み、食材も冷凍食品が出回っているということです。 喜多方の学校給食のとりくみは、地域の学校から地域の素材をつかった食の重要性、安心・安全の食を子どものときから提供するということで、大変に地域の循環的な農を中心とした地域循環経済の発展、食の自給率向上の発展にも大切なとりくみであることが理解できました。