稲盛和夫の「社員のやる気を引き出す」考え
本記事は、神田が稲盛アカデミーに勤務していたときの履修証明の授業のレジュメ一部を再録したものです。10年以上前のことで、あらたに付け加えたこともあります。
稲盛さんが考える
社員のやる気を引き出すこととの基本的見方
企業文化や組織の硬直制・官僚制は、マンネリ化と組織が大きくなって、役割分担の固定化という関係で、おちいりがちです。いつも、新鮮な気持ちで、そのときどきの状況にあわせて問題をみつめていく姿勢が大切です。
活力ある社風をつくることとをもう一度考えながら社員のやる気を引き出すこととの課題に進もう。

夢の実現に至る方法
たゆみなく歩む

夢は成長の推進力 ⇒ あらゆる場で語る(●'◡'●)
´大きな夢を描けるかどうかで、未来は変わると稲盛さんは強調します。
´ 夢を描くことは人生に希望を与え、明日への活力を生み出す。´あらゆる機会をとらえて夢を語りつづけることによって、夢が社員の共有になり、どんな障害にも乗り越えるという強い意志力が集団のなかに生まれる。人間にとって、常に夢を持ちながら生きることが、明日への活力のもとであるというのが稲盛さんの信条です。
仕事の意義を説く
´夢の実現には現在の能力以上のことに挑戦すること。´注文は他社が断った技術的に難しいものばかり。稲盛は、零細企業であった当時注文をできますといって引き受ける。
´技術や製造設備がなくても製品開発の意義を語る。製品にかける夢を一生懸命に説く。従業員は「よしやろう」とすぐにはならない。従業員の気持ちを「どうしてもやりとげるのだ」という気持ちまでたかめなければ開発は成功しない。
稲盛さんは、社員はすぐに能力以上のことに挑戦することはしないことが一般的とするのです。零細企業にとっては、それでは生きていくことが厳しい現実があるということで、「どうしてもやりとげなければ」という気持ちをもつことは簡単ではないことをトップの社長自らが一生懸命情熱をもって語ることが大切だとしているのです。
´従業員が自ら燃えて、その高い目標にチャレンジするように意義や目的を説く。
地道な努力を積み重ねる
´大きな目標を掲げて、夢を描くことは大切であるが、現実は、地味で単純と思われることを毎日続けなければならない。夢と現実の隔たりの大きさで焦りがでてくる。大きな夢の志を持って仕事をやりはじめてもすぐに成果があがるものではないのです。地道な努力の積み重ねという、もうひとつの大切なことがあると稲盛さんは語るのです。
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´´どんな偉大なことも地味な努力の積み重ね
人間は報酬では動かない、心で動く
´従業員のやる気を引き出すために、成功すれば給料やボーナスをはずむといった方法は簡単ですが、事業がいつも成功するとはかぎらない。不況になったり、事業がうまくいかなくなったとき、給与やボーナスを減額すれば従業員の士気はすぐに低下する。
´金銭で釣るのではなく、心の内から燃えるような動機づけが大切になってくると稲盛さんいうのです。とかく、お金をだせば人は動くものであるというのは、きわめて狭い実利的な見方です。長い目で、ずっと継続して行動していくことで、人は決してお金ではない。大きな志をもっての希望や夢をもっての生きがいであると。
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大きな夢をもって、´困難を乗り越える中でこそ喜びや、やりがいを感じる
質問・3kと言われる厳しい仕事の業種での仕事でも、
社員に夢と誇りをもたせるには
´大手造船の下請けの加工。´下請けの賃加工で、きつい、汚い、危険といわれる3k職場で人がなかなか来てくれない。来ても長続きはしない。設計図がかわり、機械を使いこなすには5年から7年はかかる仕事
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´社員に夢を持たせるための企業環境をどのようにしたらよいか
´どういう考えをもって人を育てたらよいか
3k業種だけの問題ではない
社員の動機づけは、すべての経営者の課題
´ 惰性で仕事をやっているだけではなく、仕事の存在理由を明らかにして、モチベーションをたかめよ。自分の仕事が社会で必要とされている理由を明確に。社会的に仕事のうえで、大きく貢献しているという自覚をもつことが大切としているのです。社会的に´存在理由をもてない企業は社会から消えていくのです。
´3k業種が問題ではない。社員ひとりひとりに社会的に、その仕事の意義が明確にされていないことが問題である。さらに、もっとも大切なことは、社会の側、それ自身が現実にきついしごとに対して、処遇や必ずしもよくなっていないことです。
この意味で3kとよばれる仕事にたいして特別に待遇改善を抜本的に向上させていく努力が社会的に必要になっているのです。国家や地方自治体等の公権力のもとでの公共事業の発注の条件の役割として、まずは3k業種の改善からとりくむことではないかと思うのです。
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´稲盛和夫自身もモチベーションは初めはマイナスだった
稲盛和夫も最初の仕事は3kであった🥺
´焼物の仕事は粘土を練ってモノをつくる。有機化学を専攻していた者にとって焼物の世界は面白くない。就職先がないので、焼物の世界しかいけなかった。就職先との関係で急きょ有機化学から無機化学に変更。
´セラミックスの粉をプレスにかけることを一日やらねばならない。
固めた粉末を今度は釜に入れ温度を設定しながら、形状がかわっていくのを研究する。一日中やっていると作業着も体も粉末でドロドロ。
道具を洗うのが一苦労。次の原料をつくるとき、前の原料が少しでも残って正しいデーターがとれないので、きれいに洗わなければならない。粉末がなかなかとれない。体はベタベタ、粉末で頭は真っ白になる。3kの最たる職場。⇔´研究は面白いと感じていなかった。有機の方に行きたかったため
これは世界的研究やと自分の気持ちを変えて、助手の人たちに意義を話す
´頭のいい学者は汚い仕事、汚い実験はしない。
´均質に混ぜるかは粉末はきわめて難しい。気体や液体は簡単にできるが、粉末工学の難しさがあると助手たちに話す。粉末の挙動がわからなくてセラミックはできない。
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´ふるさとに帰りたいと不満をもっていた助手たちがこれは、社会的に意義のある仕事に違いないと、一生懸命がんばるようになる。
社員の不満をどう解決していくか。
´金型の金属販売商社 社員37名
´自動車業界の設備の削減や部品の共通化で金型の発注は極端に減少し、3年前から2期連続して赤字。2期連続の赤字は社員が一生懸命働いていたにもかかわらず、青年会議所などでうつつをぬかし会社に何も貢献してこなかったことに気づく。
↓😒
´´社員に謝罪し、ゼロから出発。資金調達にもうまくいかず苦しい状態になるが、社員の給料、ボーナスに手をつけずに今期売り上げが15%のび、営業所の統廃合で経費節減で2000万円の営業利益
黒字になってから社員の不満
´営業所の統廃合により営業から一人あたりの担当が多くなり、帰宅時間が遅くなった。自由な時間がとれなくなった。
´人事制度の導入で役職から外れたやる気を失った幹部・社員同士の人間関係にも歪み


京セラが会社をはじめた当初で、赤字脱却を果たした。そのとたん若い社員が労働組合をつくって、不満の噴き出しをぶつけられたという稲盛さんの体験です。
必死に会社の経営状況、会計上の現状などを理解してもらえるように話し合って、社員とともに会社の未来、給料の大幅アップの条件などを社員と共に考えるようになったということです。ここに社員が参加していく経営の在り方を模索していくのです。後の京セラのアメバー経営の出発的にもなっているのです。
赤字を黒字にするのが経営の目的ではない
´夢を語り、もっと大きな目標を示し、
´率先垂範せよ
´会社は従業員の幸せの基盤
´社員の迎合ではなく、夢と目標をつくり社員に訴える
経営理念についてこない 社員のベクトルをそろえるには
´青果問屋で従業員は100名で売り上げ200億円
´入社10年後に専務に 父の努力によって各社赤字をかかえていた会社を合併させて、黒字の会社に。専務に就任したとき社員の不正が次々に表にでて、会社はガタガタ。半年で社内はおちつく。
´ コンパによる社員とのコミュニケーション、中堅社員に経営者感覚を持たせるということを1年間実施
´ 社長は宗教的になってきた。社長は教祖ではなく、
´ 社長でいてほしい。
´ 社長は物心両面の幸福をめざすといっているがわれわれは
´ どんどん不幸になっている
きれいごとに終わらせず、
社員の幸福を増すように労働環境を改善せよ
´誰にも負けない努力は経営のプロに求めるもの
´社員は労働基準法で定められた一日8時間 朝の4時半から夜7時までは異常。
´従業員の物心両面の幸福にあわない
´生産性向上で物心両面の幸福の実現を
´めざす。朝の4時半から7時までの
´労働時間ではなく、2交替に

営業力の強化には戦闘集団か個性か
´ゼネコン会社に勤務していたが課長と合わずに設計技術を生かして創業
´社員16名 売り上げ関連もあわせ1億2千万円
´技術力に頼ることなく、全員参加による営業を
´人格と営業成績の関連

営業の才ある人にフイロソフイ堅実な社員を教育せよ
´情熱だけでは発展しない
´情熱のほかに人一倍創意工夫して、誰にも負けない努力をしている
´技術や資産に安住するな 楽をしてもうけようという考えが発展の阻害要因
´とにかく売り歩けではダメである
´同業社よりもウチはこういう特長、こういう技術があるということで営業
´断られたときが営業の始まり
´有能な営業担当者は特殊な才能の持ち主。しかし、優秀な営業マンこそフィロソフィを徹底して教えることが大切。
´有能な営業担当者から学べ。まじめな人はあまり注文がとれない。
稲盛和夫の経営問答
従業員をやる気にさせる7つのカギ』より抜粋
- 従業員をパートナーとして迎え入れる
自分と一心同体になって仕事をしてくれる「パートナー」-ともに
経営の責任を負う共同経営者として従業員を迎え入れることが必要です。
- 従業員に心底惚れてもらう
経営者は、社長であるあなたに惚れ込み、
どこまでもついてきてくれる従業員をつくり、
彼らを幸せにしていかなければならないのです。
- 仕事の意義を説く
従業員は、自分のやっている仕事に意義を見出せば、
気持ちが高ぶり、持てる力を最大限に発揮してくれるはずです。
- ビジョンを高く掲げる
すばらしいビジョンを共有し、こうありたいと従業員が強く思えば、
夢の実現に向かって、どんな障害をも乗り越えようという
強大なパワーが生まれてくるのです。
- ミッションを確立する
従業員のモチベーションを揺るぎないものにする。
それが、「ミッション」です。会社の使命や目的を明らかにして、それを従業員と共有します。
- フィロソフィを語り続ける
高邁な企業の目的を追求していくためには、「私はこういう考え方で経営をしていくつもりだ」ということを皆に話して、
それを共有していかなければなりません。
- 自らの心を高める
経営者は、しっかりとした哲学を学び、自分の器を大きくするように努めるべきです。
まとめ
´社員のやる気の問題を阻害している要因を現代社会組織の構造的な問題から探って、稲盛和夫の積極的な問題提起を学んでいこう。
´この際に、それぞれの日常で起きている組織のメンバーのやる気の問題を出し合ってみよう。
´青年もニートの問題やフリーター志向、また、会社を3年以内にやめる若手社員の問題も含めて考えてみよう。
´組織の硬直性・官僚制の起きる問題の原因をそれぞれの立場から話し合ってみよう。
´自発性のエネルギーを生かしての活性化した事例がありましたら積極的に出し合ってみよう
´

´組織でやる気を失う原因について話しあってみよう
´やる気を失うリーダーの問題性とやる気を引き出すリーダーの違いはどこにあるのか話しあってみよう。