社会教育評論

人間の尊厳、自由、民主的社会主義と共生・循環性を求める社会教育評論です。

2023-01-01から1年間の記事一覧

中江藤樹の学問・教育と民の暮らし

中江藤樹の学問・教育と民の暮らし はじめに 中江藤樹は、何のために学ぶのか、人間的に生きることはどのようなことなのか。人を育てることをどうしたらいいのか。人間のもつ素晴らしい可能性を探求した儒学者、村の教育者でした。現代ても学ぶべきことがた…

二宮尊徳の農村再興実践とその思想

二宮尊徳の農村再興実践とその思想 二宮尊徳の生い立ちと思想の特徴 二宮尊徳は、江戸の末期に生きた荒廃する農村再建を分度・推譲、至誠・勤労、一円融合の理念の基で、小田原藩主の大久保忠真や幕府老中の水野忠邦の命の庇護で実践したのです。しかし、実…

直耕で自然活真の世を ―安藤昌益の人類未来社会論を考える―

直耕で自然活真の世を ―安藤昌益の人類未来社会論を考える― 神田 嘉延 はじめに 安藤昌益は、江戸中期に生きた思想家で、四民平等と平和の自然活真の世を展望しました。既存の儒学・仏教・神学を批判して、王、武士の階級社会を農民から租税を取り立てている…

安藤昌益の互生論(異質を対等に相互依存関係に)

安藤昌益の互生論(異質を対等に相互依存関係に) はじめに 安藤昌益は、1703年に生まれ、1762年没である。江戸の中期に、社会の平等論、環境保全論、武器全廃の平和論、直耕という労働価値の絶対性をのべた先駆的な思想家である。 15歳のときに禅宗の修行僧…

石田梅岩の商人道と心を知る

石田梅岩の商人道と心を知る 序・現代的に石田梅岩から学ぶ 石田梅岩は、江戸時代の中期(1685年~1744年)に生き、商人道徳を説いた人です。京都に近い丹波の山村(現在の亀岡市)で生まれ育ち、京都に奉公に行き、働きながら独学で儒学を学び、20年間働いた…

日本のヒューマニズム・仁愛を考える―江戸時代の儒学者・伊藤仁斎から

日本のヒューマニズム・仁愛を考える―江戸時代の儒学者・伊藤仁斎から 神田 嘉延 はじめに 伊藤仁斎は、江戸時代初期(1627年から1705年)京都の商家で生まれ、ヒューマニズムの儒学者として、生きた人物です。孔子・孟子の原点から古学派の儒学者として、日…

孟子の仁政論から現代的な民主主義を考える

孟子の仁政論から現代的な民主主義を考える はじめに 欧米のデモクラシーの訳として、民主主義が一般的につかわれています。民主主義の考えは欧米のデモクラシーから学ぶこと必要といわれます。それだけでよい未来が描けるのか疑問です。欧米民主主義の利己…

日本の話し合い文化と人類的合意の知恵

日本の話し合い文化と人類的合意の知恵 日本では、都会や農村での地域の意思決定で話し合の寄合いの慣行がおこなわれてきました。その伝統は、地縁組織の衰退によって、現代では、大きくその機能は崩れているのが現状です。今でも地域の伝統的な行事などでは…

対話力を育む民主主義教育

対話力を育む民主主義教育 はじめに 工藤雄一・苫野一徳「子どもたちに民主主義を教えよう」―対立から合意を導く力を育むという本を読んだ感想です。平和に暮らしたいという目標に合意して、暴力に頼らず対話の力によって、対立を解消するのが民主主義の基本…

騙し謳歌の新自由主義社会

騙し謳歌の新自由主義社会 (1)現代社会の騙しの構造 新自由主義社会の問題点 現代日本では、生活していくうえでのコミュニティー、絆や連帯の社会が崩れ、マスコミの力が人々の意識を左右する大きな力になっています。とくにSNSによる偽ニュースや詐欺も起き…

小型ガス化エンジンの串間木質バイオマス発電

小型ガス化エンジンの串間木質バイオマス発電 神田 嘉延 串間市にある木質バイオマス発電は、日本の各地にある大型・中型の直接燃焼の蒸気タービンの発電しくみではありません。今までのバイオマス発電は、木質を地域の木材だけではなく、海外からの木質ペレ…

ナムディン農業高校のカリキュラム構想・Khái niệm chương trình giảng dạy 'Môi trường và Nông nghiệp' và 'Khoa học Chế biến Nông sản và Thực phẩm' của Trường Trung học Nông nghiệp Nam Định

ナムディン農業高校の「環境と農業」と「農産物加工と食品科学」領域のカリキュラム構想・ Khái niệm chương trình giảng dạy 'Môi trường và Nông nghiệp' và 'Khoa học Chế biến Nông sản và Thực phẩm' của Trường Trung học Nông nghiệp Nam Địn このカ…

ナムディン農業高校のカリキュラムについての考え方・Suy nghĩ về chương trình học của Trường Trung cấp Nông nghiệp Nam Định

ナムディン農業高校のカリキュラムについての考え方・Suy nghĩ về chương trình học của Trường Trung cấp Nông nghiệp Nam Định 神田 嘉延 日本とベトナムの違い ベトナムには職業高校がない。ベトナムは、2年間の中学卒業後の職業訓練校である。ベトナム…

元ナムディン縫製・紡績工場管理棟フランス建築跡

元ナムディン縫製工場管理棟・フランス建築跡 ナムディン縫製・紡績工場の管理棟フランス建築づくり ナムディンの縫製工場とホーチミンがきたときの執務室 アメリカの空爆に対する工場防衛 フランス植民地時代に抵抗者への虐殺の埋葬地 縫製・紡績工場の霊 …

日本での元寇とベトナム

日本での元寇とベトナム 元寇が、日本では、2回きています。一度目は博多を中心として大きな被害を受けました。しかし、嵐のあとに突然と撤退しています。2度目は完全に元軍14万を撃退しました。同時に、ベトナムでも3度にわたる元軍を打ち破っているの…

ベトナムの独立と教育運動―ファン・チュー・チンと文明新学策に学ぶー

ベトナムの独立と教育運動―ファン・チュー・チンと文明新学策に学ぶー ファン・ボイ・チャは、20世紀のはじめにベトナムの独立のためにトンズー運動として日本の近代化から学ぶということや東京(トンキン)義塾の開校などの教育運動がありました。また、フ…

ベトナムの仁愛思想のグエン・チャイと明の侵略との戦い

ベトナムの仁愛思想のグエン・チャイと明の侵略との戦い ベトナムの歴史的な教育者として、今から600年前の中国・明との戦いのときのグエン・チャイの仁愛思想が今日は話題になった。ベトナムでの学校の教科書に出てくる思想家でもある。日本でも江戸時代…

ベトナム農業大臣の農業教育の考え紹介

ベトナムの農業大臣の書簡・(ベトナム農業新聞より要約) 農業教育は人を「育てる」ことに重点を置き、人の魂を育てる 農業・農村開発大臣のレ・ミン・ホアン 今こそ、私たち一人ひとりが自分自身を率直に見つめ、ビジョンを開き、積極的に方向性を模索し、…

橫井小楠と仁政の公共思想

横井小楠は、幕末・明治維新に、西洋との交通貿易を重視しながら、東洋の心の精神を大切にした思想家です。大義を世界に求め、身分の軽重を問わず、お互いい批判しあい、政治や人情を公論の視野から大切にして、仁政による公共の道を求めた。 橫井小楠は、世…