社会教育評論

人間の尊厳、自由、民主的社会主義と共生・循環性を求める社会教育評論です。

社会

森の循環と共生への社会教育

山神の祠 霧島山麓の高千穂リゾートV街区から吉之元集落にある森林組合の原生林の尾根にあるものです。 森の 循環 と共生への社会教育 現代社会は、大量生産と大量消費で、弱肉強食の競争社会により、格差の拡大が進んでいます。人々の生活様式もゆがみが…

公民館・コミュニティセンター職員の専門性と養成・研修―社会教育士の創設を見すえてー

公民館・コミュニティセンター職員の専門性と養成・研修―社会教育士の創設を見すえてー 2019年6月29日から30日日本社会教育学会九州・沖縄地区集会 文部科学省は、平成30年9月に社会教育主事の省令改正を2020年4月1日施行の通達で、社会教…

日本語教育推進法と社会教育

日本語教育推進法と社会教育 神田 嘉延 日本語のできない問題状況を直視しての外国人の教育を充実 2019年6月21日に日本語教育推進法が国会を通過しました。この法律は、日本に居住する外国人が日常生活や社会生活を円滑に営むことができるように、国と自治体…

一橋大編「渋沢栄一と人づくり」を読んで

一橋大編「渋沢栄一と人づくり」を読んで 神田 嘉延 一橋大日本企業研究センター研究叢書「渋沢栄一と人づくり」が有斐閣から2013年に出版されていますが、このたび新一万円札に選ばれた人物になったので、あらためて読みました。 渋沢の唱えた合本主義…

現代社会の退廃問題から渋沢栄一に学ぶ

現代社会の退廃問題から渋沢栄一に学ぶ 神田嘉延 はじめに 渋沢栄一は、新札一万円の人物に選ばれました。彼は経済人のモラルとして、「論語と算盤」ということで、道徳経済合一を論じた人です。その論は、経済を拝金主義の私欲ではなく、公益を考えたのです…

再生可能エネルギーとコミュニティでのESD

再生可能エネルギーとコミュニティでのESD 神田 嘉延 再生可能エネルギーは、集中型で大規模な発電からの脱皮 再生可能エネルギーは、石油・石炭、原子力から分散型で自然と共生のためのものです。大量エネルギー創出生産に終止符をうつものであります。人々…

霧島山麓の大規模メガソーラー建設問題と歴史文化の破壊

霧島山麓の大規模メガソーラー建設問題と歴史文化の破壊 神田 嘉延 1,大規模な自然破壊の恐れ 185ヘクタールに80メガを上回る出力の大規模な太陽光発電が霧島神宮周辺の山間部で計画されています。この開発地域の周辺には、別荘や介護施設、温泉を利用…

子どもの虐待問題と社会教育の役割

子どもの虐待問題は、警察関与強化で解決するのか 南日本新聞の3月25日の記事では、虐待 警察関与強化へと大きな見出しで書いています。児相と連携、OB配置促進というしです。全国の警察が昨年摘発した児童虐する待事件は1380件、保護した子どもは約…

正義論と社会教育-民主主義社会の道徳形成ー

為政者が正義に生きることは、日本の武士道にあった! 正義に生きることは、日本の武士道にとってあたりまえの徳育であったのです。民主主義の発展には、人間尊厳、相互尊重・相互扶助の人間らしく生きていくことが必要です。ここには、正義感覚をもった市民…

国連の小農と農村の人々の権利宣言と社会教育

国連の小農と農村の人々の権利宣言と社会教育 神田 嘉延 国連は2018年12月18日に小農と農村で暮らす人々の権利宣言を121国の賛成多数で総会で採決しました。日本は広範に小農と農村をかかえながらこの採択には棄権しました。残念なことす。 国際競争力の農業…

小さな自治と小学校の校区

農は脳と人をよくする ―子どもの発達と地域― 改訂版 作者: 神田嘉延 出版社/メーカー: 学研プラス 発売日: 2016/05/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 小さな自治と小学校の校区の社会教育的役割 神田 嘉延 (一) 小さな自治としての小学校の…

ベトナム人の外国労働者問題と教育・生活課題

「ベトナム人の外国労働者問題と教育・生活課題」 神田 嘉延 (1)ベトナムの社会経済の現状をどうみるのか なぜ出稼ぎしなければならないのか ベトナムは、現在GDP成長率6.5%と高い。しかし、民族資本が育っていないのが現状です。この成長率は外国資…

子どもの虐待問題を考える- 野田市の児童虐待問題の悲惨さ

子どもの虐待問題を考える 野田市の児童虐待問題の悲惨さ 千葉県野田市で今年1月24日に両親の虐待による子どもの死亡事件が起きた。自宅浴室での虐待である。両親は逮捕され、その痛ましい数々の虐待が明らかになった。子どもは学校のアンケートに父親か…

地域主権国家と明治の中央集権化の再検討

地域主権国家と明治の中央集権化の再検討 (1)明治維新の廃仏毀釈と民権の対抗的精神構造 現代日本の中央集権国家の矛盾を地域の国民の暮らしからみつめていくためには、明治維新期の中央集権への動きから日本の近代化の歴史的にみる必要がある。地域の伝…

国際平和の道徳教育ー日本と世界の平和観ー

国際平和の道徳教育ー日本と世界の平和観ー 神田 嘉延 「平和で暮らしたい」、「戦争はいやだ」というのは、多くの人々の共通の願いである。平和の徳育は、道徳教育の大きな課題である。 人類は、古代国家から戦争を絶えず続けてきた。その都度、戦争の悲惨…

討議民主主義を篠原一「市民の政治学」から考える

篠原一は「市民の政治学」岩波新書で、討議デモクラシーをのべています。そして、80年代後半から新しい「第2の近代化」がはじまったとするのです。 近代社会構造の捉え方 近代の構造は、資本主義と産業主義という経済軸、近代国家と個人主義という社会軸…

エイミー・ガットマンの考える多文化共生社会での民主教育論

学校再生論の礎石―人間・国家・地域と学校 (現代教育学全書) 作者: 神田嘉延 出版社/メーカー: 高文堂出版社 発売日: 2006/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る エイミー・ガットマンは1987年に民主教育論の著書を刊行しています。かれは、…

幕末維新期の議会主義と立憲主義

幕末維新期の議会主義と為政者の権力を縛る憲法を考える 神田 嘉延 安井息軒は、近代日本の法治国家への素地をつくった思想家 現代日本は、立憲主義が大きく問われている時代です。また、法と道徳の結びつきも為政者と民との関係で大きな課題となっていいま…

主権者教育と憲法学習

主権者教育と憲法の学習 神田 嘉延(鹿児島大学名誉教授) 文部科学省の考える主権者教育 文部科学省は,「主権者教育の推進に関する検討チーム」の中間報告を 平成28年3月31日に発表した。これは、公職選挙法改正による満18歳以上の選挙権によって,主権者…

中央教育審議会「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興策の答申案」ーパブリックコメントー

中央教育審議会「人口減少時代の新しい地域づくりに向けた社会教育の振興策の答申案」ーパブリックコメントー 神田 嘉延 人口減少時代の地域づくりと社会教育の振興策答申の案をだしたことは、社会教育の地域課題解決学習を充実していくことで大いに意味をも…

地域づくりと新たな視点からの人材養成ー学校教育と社会教育の連携・自治体の地域振興計画の役割ー

地域づくりと新たな視点からの人材養成ー学校教育と社会教育の連携・自治体の地域振興計画の役割ー 神田 嘉延 地方での人材育成の大切さ 2018年3月現在、日本の人口は約1億2000万人と言われています。ただ、80年後の2100年には半分以下の5200万人になるとい…

民主主義と精神活動ートクヴィルの「アメリカ民主政治」から学ぶ

民主主義制度は、自発的結社や団体など多様な価値を認めていく社会システムがなければ、国民を総動員して専制的な国家になっていくのである。自発的結社や団体をつくりあげていくのは、地域で生活している人々の精神的な活動が必要である。また、真の民主主…

村づくりと学校ー奄美宇検村安室校区の親子留学から

農は脳と人をよくする ―子どもの発達と地域― 改訂版 作者: 神田嘉延 出版社/メーカー: 学研プラス 発売日: 2016/05/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 村づくりと学校ー奄美宇検村安室校区の親子留学からー2018年10月6日・沖縄社教学会のレジ…

民主主義による多数派専制と教育ートクヴィル思想から

民主主義による多数派の専制と教育ートクヴィルの思想よりー 神田 嘉延 ドクヴィルによるアメリカ民主主義論 トクヴィルは1830年代のアメリカをみながら、フランスの民主主義を考える思想家であった。かれは、1789年のフランス大革命の「自由、平等、友愛」…

自由の秩序なくして真の自由はない-社会教育の役割

自由の秩序なくして真の自由はない 神田 嘉延 井上達夫氏の自由の秩序の問題提起 自由と社会教育については、本ブログで勉強したことをのべてきた。今回は、井上達夫「自由の秩序」ーリベラリズムの法哲学講義」岩波現代文庫で2017年3月の出版の本を読んで…

文部科学省の学びを通じての地域づくりの推進の調査から考えること

文部科学省の学びを通じての地域づくりの推進の調査から考えること 神田 嘉延 地域づくりという視点からの調査 「学びを通じた地域づくりの推進に関する調査」を平成 29 年 3 月・ 文 部 科 学 省 株式会社政策研究所でまとめています。調査期間は、平成 28 …

転換期にある社会教育職員のシンポジュウに参加して

日本社会教育学会・九州・沖縄の研究大会の報告内容 転換期にある社会教育職員のシンポジュウに参加して 神田 嘉延 日本社会教育学会の九州・沖縄地区の研究集会は、6月23日に長崎大学で開かれました。長崎県、大分県、福岡県、佐賀県の社会教育職員の養成と…

都城盆地の学校と地域づくり ー地域に誇りを持つ子どもの育ちと地域の人材養成ー

農は脳と人をよくする ―子どもの発達と地域― 改訂版 作者: 神田嘉延 出版社/メーカー: 学研プラス 発売日: 2016/05/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 都城の学校と地域づくり ー地域に誇りを持つ子どもの育ちと地域の人材養成ー 「学校と地域…

日本における農業・農村教育の教訓と今後の課題

日本における農業・農村教育の教訓と今後の課題 神田 嘉延 はじめに 日本の農業教育や農村教育の実践的な体験と教訓は、農村の生活を直視しながら農民実践自身が実践的に新しい技術や農村の改革をしてきたことである。上からの一方的な技術指導や農村改革で…

農業・農村の教育創造を三澤勝衛の風土教育論からみる

農業・農村の教育創造を三澤勝衛の風土教育論からみる 三澤勝衛は、自然学を基礎としての風土論からの教育論である。農業・農村ということを大地と大気との接触ということから自然科学を基礎にして、風土論を考えていくことは、持続可能な発展のための教育を…